オルカン23%・FANG+48%。コア・サテライトが逆転していた話

「FANG+一本でいいのかな」——最近、そう思うことが増えていた。

普段の積立はFANG+とSOX、それにNASDAQ100が中心。オルカンは地味に感じて、ずっと後回しにしていた。ところが先日、臨時収入が入ったタイミングで、そのオルカンに10万円をスポットで入れてみた。

買うこと自体に迷いはなかった。ただ、この記事を書くために自分の資産配分を数字で並べてみたら、想像していなかった事実に気づいた。

💡 この記事でわかること

オルカンを10万円買った後の資産配分を実際の評価額で並べたら、「コア・サテライト戦略」の教科書的な比率とは逆転していた。オルカンを足しても米国株集中が解消されない理由まで、実測値だけで検証する。

このブログは、なんの肩書きもない普通の会社員が実験台になって「本当に1000万円まで資産を増やせるか」を確かめる記録でもある。今回のオルカン購入も、その実験の一部だ。攻めだけで突っ走るのか、守りも整えるのか。ここで数字を並べておくことが、後から振り返ったときの判断材料になると思っている。

この記事は、FANG+やS&P500、NASDAQ100などを積立中で「1本で足りるのか、分散すべきか」と迷っている人に向けて書いた。自分の配分を感覚では把握していても、実際の評価額で並べたことはない、という人にこそ読んでほしい。

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目次

普段の積立は、FANG+とSOXという”攻撃布陣”だった

まず、ふだんの積立の話から始める。

NISAのつみたて投資枠では、FANG+を毎営業日500円、オルカンを毎営業日100円という日次設定にしている。それとは別に、成長投資枠ではSOXとNASDAQ100を、節約できた月や臨時収入があったときにスポットで買い増すというルールにしていた。

並べてみるとわかる通り、日々自動で増えていくのはFANG+とオルカンの2本だけで、しかも金額は5対1。オルカンはほとんど”添え物”のような扱いだった。

オルカンを避けていたわけではない。ただ、あえて選んでもいなかった、というのが実際のところだ。地味で、値動きの面白みがない。それが本音だった。たとえばFANG+やSOXが大きく動いた日はXのタイムラインも賑やかになるが、オルカンが話題になっているのはあまり見たことがない。派手さで選ぶなら、圧倒的にFANG+とSOXだった。

臨時収入で、オルカンに10万円を”守護神”として置いてみた

そんな中、臨時収入が入った。金額や出どころはここでは伏せるが、普段の積立とは別に動かせるお金ができた。

使い道はいくつか考えたが、成長投資枠でオルカンを10万円分、スポットで買うことに決めた。FANG+やSOXという攻めの銘柄を主戦力に例えるなら、オルカンはそれを後ろで支える守護神のような位置づけにしたかった。フォワードばかり揃えたチームに、初めてちゃんとしたキーパーを置いた、という感覚に近い。

この判断に迷いはなかった。記事のネタになりそうだという打算もあったが、それ以上に「守りが薄すぎる」という感覚は前々からあった。ボタンを押すまでの時間は、いつもの積立設定より短かったくらいだ。

注文は翌日には約定し、実際の評価額に反映された。ここからは、その前後の数字を並べていく。

数字を並べてみたら、教科書と逆転していた

購入前後の配分(楽天証券・実測値)

オルカンを買う直前の2026年7月7日と、注文が約定した翌7月8日、それぞれ楽天証券の保有商品画面を確認した。実際の評価額ベースの内訳は次の通りだ。

銘柄 購入前(7/7) 購入後(7/8)
FANG+ 206,072円(62.7%) 211,559円(47.9%)
SOX 81,834円(24.9%) 86,912円(19.7%)
NASDAQ100 39,889円(12.1%) 42,536円(9.6%)
オルカン 700円(0.2%) 100,806円(22.8%)
合計 328,495円 441,813円

オルカンの比率は0.2%から22.8%まで一気に上がった。たった一度のスポット購入で、100倍以上になった計算だ。守護神をようやくベンチから出した、という感覚だった。

「コア・サテライト戦略」という考え方

投資の世界には、資産を「コア」と「サテライト」に分けて考える「コア・サテライト戦略」という考え方がある。コアは守りを重視した安定資産、サテライトはリターンを狙った攻めの資産、という役割分担だ。

一般的な目安としては、コアが7〜9割、サテライトが1〜3割とされている。たとえば安全性を重視するならコアを厚く、リターンを重視するならサテライトを厚くする、というのが基本的な考え方だ。

この分類に当てはめると、わたしの場合はオルカンがコア、FANG+・SOX・NASDAQ100がサテライトということになる。購入前の数字で言えば、コアが0.2%、サテライトが99.8%。教科書の目安からは、大きくかけ離れていた。

では、10万円を足した後はどうなったか。改めて教科書の目安と照らし合わせてみる。

教科書の目安 わたしの配分(購入後)
コア(守り=オルカン) 7〜9割 22.8%
サテライト(攻め=FANG+・SOX・NASDAQ100) 1〜3割 77.2%

コア22.8%、サテライト77.2%。100倍に増やしたはずのオルカンも、教科書の目安からするとまだ守りが薄い。逆転したままだった。あなたの配分は、この目安とどれくらい離れているだろうか。

自分の配分を実際に確認したくなった方は、まず楽天証券の保有商品画面を開いてみてほしい。口座がまだない場合はこちらから。

オルカンを足しても、実は米国集中は解消されていない

ここまでで「オルカンを足したから、これで安心」と言いたいところだが、話はそう単純ではなかった。

そもそもオルカン(eMAXIS Slim全世界株式などのオール・カントリー型ファンド)は、名前こそ「全世界」だが、中身の約6割は米国株が占めている。世界の株式市場に占める米国企業の時価総額比率が、それだけ大きいことによる構成だ。

実際に計算してみる。FANG+とNASDAQ100はほぼ100%米国企業として計上し、オルカンは中身の約6割を米国株分として計上する。SOX(フィラデルフィア半導体指数、TSMC・ASMLなど一部非米国籍企業を含む半導体セクター集中型の指数)は国別の正確な構成比率が非公開のため、ここでは計算から除外した。

💡 米国関連資産の比率(SOXを除く概算)

購入前:75.0%(FANG+206,072円+NASDAQ100 39,889円+オルカンの米国株分420円=246,381円÷328,495円)
購入後:71.2%(FANG+211,559円+NASDAQ100 42,536円+オルカンの米国株分60,484円=314,579円÷441,813円)

オルカンを足したことで、米国集中はたしかにわずかに下がった。ただし下がり幅は3.8ポイントで、SOXを含めればこの数字はさらに高くなる可能性が高い。「オルカンを足したから米国偏重は解消された」と言うには、まだ程遠い。

守護神のつもりで置いたオルカンも、蓋を開けてみれば同じチームのユニフォームを着ていた、というのが正確なところだ。地域という意味での分散は、この程度のスポット購入では、ほぼ機能していない。

⚠️ 注意

オルカンの国別構成比率や各指数の構成は、運用会社の公表データに基づく2026年時点の情報。比率は今後の市場動向により変動する。

数字を見て、初めて不安になった

買うと決めた瞬間には、迷いはなかった。ただ、この記事を書くために数字を並べ、コア・サテライトの目安と照らし合わせてみて、初めて落ち着かない気持ちになった。

攻めが77.2%というのは、リターンを狙う分には悪くない配分だ。ただ今回はっきりしたのは、「オルカンを買って守りを固めたつもり」と「実際に守りとして機能している比率」の間に、思っていた以上の差があったということだった。守護神を置いたつもりが、まだベンチを温めているだけだった。

だからといって、FANG+やSOXを選んだ理由——テックへの信頼や半導体という成長領域への期待——が変わったわけではない。今すぐ全部をオルカンに切り替えるつもりはないし、日々の積立ペースもこれまで通り続ける。ただ、資産全体でまず100万円という最初の目標を置いている以上、そこに向かう過程で守りの比率は意識的に増やしていくつもりだ。攻めを削るのではなく、今回のように臨時収入が入ったときに守りへ積み増す形で。

今回の実験でわかったのは、「守った気になる」ことと「実際に守れている」ことは別物だ、ということだった。感覚だけで判断していたら、この差には一生気づけなかったと思う。

あなたの資産配分は、コア・サテライトの目安と比べてどれくらい離れているだろうか。感覚で把握しているだけなら、一度実際の評価額を並べてみることをおすすめしたい。わたしのように、思っていたのと違う数字が出てくるかもしれない。

まとめ

✅ この記事のまとめ

  • 購入前の配分はFANG+62.7%・SOX24.9%・NASDAQ100 12.1%・オルカン0.2%
  • オルカンに10万円をスポット購入し、比率は0.2%→22.8%に
  • コア・サテライト戦略の目安(コア7〜9割)とは、購入後も逆転したまま(コア22.8%・サテライト77.2%)
  • オルカンの中身は米国株が約6割。足しても米国集中は解消されない
  • 「守った気になる」ことと「実際に守れている」ことは別物だと気づいた。資産合計100万円という最初の目標に向けて、攻め(FANG+・SOX)のペースは変えず、守り(オルカン)だけを積み増していく

感覚だけで配分を判断していると、こういうズレには気づけない。数字で確認できる状態を作っておくことが、まず最初の一歩だと思う。わたし自身、資産合計はまだ44万円ほどで、最初の目標である100万円にも届いていない。それでも、攻めと守りの比率を数字で把握しておくことが、その先の判断を狂わせないための土台になると思っている。まだ口座を持っていない方は、無料開設だけでも済ませておくと、いざというときすぐ動ける。

参考・出典

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