はじめに|昨日、口座を開くのが少し怖かった
正直に言います。
昨日の朝、楽天証券のアプリを開くのがちょっと怖かったです。
前日のニュースには「米国株が急落」「S&P500が2.6%下落」「NASDAQは4%超の下落」という文字が並んでいました。スマホを開くたびに暗い見出しが流れてくる。
「今日はどれくらい減ってるんだろう」そう思いながらアプリを開きました。
そして見えたのが、この数字でした。
2026年6月6日 / 積立71日目
金融資産総額:¥303,316
前日比:−¥5,206
含み益:+¥29,979(+11.01%)
前日より5,206円減っている。それは事実です。
でも含み益(=まだ売っていないけど増えている金額)は+29,979円、+11.01%。
持っているすべての銘柄が、プラスでした。
「暴落中なのに、なんで?」
きっとそう思いましたよね。わたしも最初は不思議でした。今日はその理由を、むずかしい言葉を使わずに、できるだけ正直に話します。
投資ってドラクエと同じだと気づいた話
突然ですが、ドラクエをやったことありますか。
レベル1のとき、最初の村を出たらすぐスライムに出会いますよね。そのスライムに苦戦しながら、少しずつ経験値を積んでいく。武器を買って、呪文を覚えて、少しずつ強くなっていく。
でも旅を続けていると、かならず強いボスが現れます。
ちょうど調子が出てきたと思ったら、急に強敵が出てくる。「え、まだ早くない?」ってなる。
そのとき「もう無理、やめよう」ってゲームを消しますか?
消しませんよね。むしろそこが踏ん張りどころだってわかっているから。ここを乗り越えたら次のステージに進める、って。
ドラクエ
レベル上げ → コツコツ経験値
ボス登場 → 踏ん張りどころ
ゲームを消す → 全部無駄
積立投資
毎日500円積立 → レベル上げ
暴落 → ボス戦
積立をやめる → 全部無駄
わたしは毎日500円をコツコツ積み立てています。最初は「毎日500円なんて意味あるのかな」と思っていました。でも71日続けた結果、含み益が約3万円になっています。
そして今回みたいな暴落が、ボスです。ゲームで言えば「こんなタイミングで来る?」というくらい突然やってくる。ニュースは騒ぐ。SNSには「もう終わりだ」という投稿が流れてくる。
でもここでゲームを消したら、それまで積み上げたレベルが全部無駄になる。ボス戦の途中でリセットボタンを押すのと同じです。
なぜいま暴落しているのか|3つの原因をわかりやすく説明します
「暴落の原因なんてわからない」という人も多いと思います。でも知っておくと、ニュースを見たときにパニックにならずに済む。今回の暴落、原因は一つじゃないです。いくつかの悪いことが同時に重なっています。
原因① 中東で「いつ戦争が起きてもおかしくない」状態になった
イランとアメリカ・イスラエルの間で、軍事的な衝突が相次いでいます。簡単に言うと「いつ本格的な戦争が始まってもおかしくない」という緊張状態です。
ここで重要なのが「ホルムズ海峡」という場所です。
イラン
↓
ペルシャ湾 ←── 中東の産油国が集まる地域
↓
【ホルムズ海峡】幅わずか約50kmの細い出口
↓
アラビア海・インド洋・世界へ
世界で使われる石油の約20%が、この細い海峡を通っています。ここが封鎖されると、世界中の石油の流通が一気に止まります。
石油は「1バレル」という単位で取引されます。1バレルはだいたい159リットル、ドラム缶1本分くらいのイメージです。この価格が今回1バレル100ドルを超えました。
石油が高くなると何が起きるか。ガソリン代が上がる、食べ物の輸送コストが上がる、電気代が上がる。つまりいろんなものの値段が上がります。これを「インフレ(物価上昇)」と言います。
原因② 物価が上がると「金利」を下げられなくなる
「金利」というのは「お金を借りるときのコスト」のことです。
住宅ローン3,000万円・35年で借りた場合
金利1%
約3,560万円
金利3%
約4,560万円
同じ3,000万円を借りているのに、1,000万円も差が出る
金利が低いと、企業もお金を借りやすくなって新しい事業に投資できる。株価にとっては追い風です。逆に金利が高いと借りにくくなって成長が鈍くなる。株価にとっては逆風です。
アメリカには「FRB(連邦準備制度理事会)」という組織があって、ここが金利を決めています。日本で言うと日本銀行みたいな存在です。
本来なら不安定な時期は金利を下げて経済を支えたいところ。でもいまは物価がまだ高い状態が続いていて、金利を下げると物価がさらに上がってしまう。だから下げるに下げられない状況です。
さらに追い打ちをかけたのが、6月5日に発表されたアメリカの雇用統計です。雇用統計とは「アメリカでどれくらい仕事が増えたか」を示す指標で、今回は予想を大幅に上回る結果が出ました。
「仕事が増えてるなら景気いいんじゃ?」と思いますよね。でも投資家の視点では逆です。景気が強いと物価がさらに上がりやすくなる。つまりFRBが金利を上げるかもしれない、という懸念が広がって株が売られました。
原因③ 大口の投資家が一斉に売り始めた
「恐怖指数(VIX)」という指標があります。簡単に言うと「いま投資家たちがどれくらいビビっているか」を数字にしたものです。平常時は15〜20くらい。20を超えると「市場が警戒モードに入っている」サインです。
今回はこのVIXが31台まで上昇しました。警戒ラインの1.5倍以上です。
このVIXが上がると、大きなファンドや機関投資家(プロの投資家集団)が自動的に株を売り始めます。「リスクが高まったら売る」というルールをあらかじめ設定しているところが多いからです。この自動的な売りが一気に市場に出ることで「売りが売りを呼ぶ」連鎖が起きます。
今回の暴落の構図
「経済が終わった」わけじゃないんです。悪いニュースが重なって、みんなが一斉にビビって売っている。そういう状態です。
過去の暴落は「回復した」のか|指数ごとに正直に見ていく
「過去の暴落は全部回復した」という話をよく聞きます。でもこれ、どの指数の話かによって全然違います。正直に見ていきます。
S&P500(アメリカの代表的な500社の指数)
| 暴落 | 下落率 | 回復までの期間 |
|---|---|---|
| コロナショック(2020年) | 約34% | 約5〜6ヶ月 |
| リーマンショック(2008年) | 約57% | 約5年 |
| ITバブル崩壊(2000年) | 約49% | 約7年 |
| ブラックマンデー(1987年) | 約34% | 約2年 |
すべて最終的に回復し、その後に最高値を更新しています。
NASDAQ(ハイテク株中心の指数)
S&P500より値動きが大きい分、回復にも時間がかかることがあります。
ITバブル崩壊(2000年)後のNASDAQは、高値を回復するまで約15年かかりました。
S&P500の7年より大幅に長い。NASDAQやFANG+のようなハイテク寄りの指数はこういうリスクがあることを理解しておく必要があります。
FANG+(わたしが積み立てている指数)
FANG+が誕生したのは2017年。まだ歴史が浅いため、大きな暴落からの回復データが少ないのが正直なところです。ただしコロナショック(2020年)では急落後に急回復し、その後は大きく上昇しました。
じゃあFANG+やNASDAQに積み立て続けるのは危ないのか?わたしはそう思っていません。理由は次のセクションで話します。
わたしがFANG+に積み立てている理由
理由① 暴落中は「安くたくさん買える」仕込みのタイミング
暴落中も毎日500円積み立てていると、価格が下がっているときに同じ500円でより多くの口数が買えます。そして価格が戻ったとき、安いときに買った分だけ利益が大きくなります。
これを「ドルコスト平均法」といいます。むずかしい名前ですが仕組みはシンプルです。「毎月同じ金額を買い続けることで、高いときは少なく・安いときは多く買えて、平均取得単価が平準化される」というものです。
ドラクエで言えば、ボス戦前のフィールドで経験値が大量に入る期間。ここで逃げるのはもったいない。
理由② 信じられる指数を選んでいるから
FANG+の構成銘柄は、2026年6月現在この10社です。
固定6社(原則として入れ替えなし)
Apple
Amazon
Netflix
Alphabet(Google)
Microsoft
変動4社(四半期ごとに見直し)
Broadcom
Palantir
Micron Technology
※2026年3月リバランス時点。次回は2026年6月に見直し予定。
NVIDIAはAIチップの最大手。MicronはAI処理に使われる高性能メモリを作っている会社。PalantirはAIを使ったデータ分析で政府や企業を支援している会社。BroadcomはデータセンターやAIインフラを支える半導体メーカーです。
要するに「いまの世界経済とAIの発展を支えているIT企業の詰め合わせ」です。
そしてもう一つ重要なこと。変動4社は年4回見直されます。時代に合わなくなった企業は外されて、成長している企業が入ってくる。これが「自動的にアップデートされる指数」の強みです。
ちょっと待って。批判的な視点も正直に話します
ここまで「続けよう」という話をしてきました。でも正直なことを言うと、リスクもあります。知った上で続けるのと、知らずに続けるのは全然違う。
懸念① NASDAQは15年かかった前例がある
ハイテク株中心の指数は暴落後の回復が長引くことがあります。ITバブル後のNASDAQは15年。もし似たようなことが起きれば、含み損が長期間続く可能性があります。
懸念②「SaaSの死」という新しいリスク
SaaSというのは「ZoomやSlackのような、インターネット経由で使う業務ソフトサービス」のことです。生成AI(ChatGPTのようなAI)が普及すると、従来のソフトウェアの仕事をAIが代わりにやってしまう可能性がある。そうなるとSaaSの成長が止まるかもしれない、という懸念が出ています。ただし、AIを作っているNVIDIA・Microsoft・Palantirもまた、FANG+の構成銘柄です。「やられる側」と「作る側」の両方が入っているのが現在のFANG+です。
懸念③ 余裕資金でやっていますか?
どんなに正しい投資戦略でも、生活費を削って投資している人には当てはまりません。暴落中に「生活費が足りない」となって底値で売ることになるのが一番もったいない結末です。最低でも3〜6ヶ月分の生活費を現金で手元に残したうえで、余裕資金で積み立てる。これが大前提です。
それでもわたしが積立をやめない、個人的な理由
わたしは今「資産ほぼ0円から1,000万円を貯める」という目標に向かって積み立てています。
積立日数
71日目
達成率
3.03%
目標まで残り
¥9,696,684
まだ全然です。でもゼロじゃない。
暴落で1日5,206円減ったとしても、それまでに積み上げた29,979円の含み益がある。続けてきた結果が、クッションになっています。ここでやめたら、このクッションはそれ以上育たない。
目標の1,000万円まで続けるしかないんです。
ここで読んでいるあなたに一つだけ聞かせてください。
積立を始めた理由、覚えていますか?
老後のため、子どものため、なんとなく将来が不安だったから。理由はなんでもいい。
その理由は、暴落が来たからといって消えましたか?
消えていないなら、やめる理由はないはずです。
このメンタルを保てているのは、この2冊のおかげです
「敗者のゲーム」を読んでから、暴落のたびに「あ、これがゲームの展開か」と思えるようになりました。不安が確信に変わった1冊です。「賢者の投資術」は25年間続けた人のリアルな記録。「この人もコロナもリーマンも乗り越えた」と思うと、今日も続けられます。
まとめ|暴落中のわたしが言えること
暴落はボス戦。途中でやめたらそれまでのレベルが全部無駄になる
今回の下落は「経済崩壊」ではなく「みんなが一斉にビビっている」状態
過去の暴落は最終的にすべて回復してきた。ただし指数によって回復までの時間は全然違う。NASDAQはITバブル後15年かかった前例もある
暴落中はむしろ安くたくさん買える仕込みのタイミング(ドルコスト平均法)
信じられる指数を選んで、余裕資金で続けるだけでいい。わたしは今日も積み立てます
おすすめの2冊
暴落で不安になったとき、わたしが読み返している本を2冊紹介します。この2冊がなければ、正直なところ今回の暴落で続ける確信が持てなかったかもしれません。
不安になったとき、軸を取り戻すための一冊
50年間読み続けられている長期投資のバイブル。「なぜ積立を続けるべきか」を歴史とデータで教えてくれます。この本を読んでから、暴落のたびに「あ、これがゲームの展開か」と思えるようになりました。不安が確信に変わった1冊です。わたしが今回の暴落でも積立をやめていない一番の理由は、この本を読んでいるからだと思います。
「25年続けたらどうなるか」をリアルに見せてくれる一冊
インデックス投資を25年間続けてきた水瀬ケンイチさんの本です。コロナショックもリーマンショックも経験しながら、それでも続けてきた記録が書かれています。読んでいると「この人もあのときビビっていたんだ」とわかる。それだけでものすごく楽になります。「自分もどうせ続けるしかないな」と腹が決まる本です。積立を始めた人に一番最初に読んでほしい1冊です。
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