エヌビディアが欲しくなって調べたら、もう4万円分持っていた話

エヌビディアのCEOが来日して、日本企業と何か大きな発表をしたらしい。トヨタとかソフトバンクとか、名前だけは見た。……で、これ、わたしの積立と関係あるんだっけ。ニュースを見ながら、そう思った人は多いと思う。

わたしもその一人だった。しかも、わたし自身「エヌビディアって、たしかGPUの会社だよね?」くらいの理解しかなかった。SOXもNASDAQ100もFANG+も積み立てているのに、その真ん中にいる会社のことを、うまく説明できなかった。

そこで、ニュースをきっかけに調べてみた。エヌビディアが何者なのか。そして、指数を積み立てているだけの自分の資産に、エヌビディアがいくら入っているのか。結論から言うと、個別株を1株も持っていないのに、わたしの資産の約8%がエヌビディアだった。これはわたしの特殊な配分の話ではない。S&P500かオルカンを積み立てているだけの人にも、そっくり当てはまる話だ。順番に書いていく。

(自分の中身を今すぐ確かめたい人は、楽天証券の保有商品ページから各ファンドの構成銘柄を開ける。まだ口座がなければ後半で改めて触れる)

目次

そもそもエヌビディアって何の会社?

エヌビディア(NVIDIA)は、アメリカの半導体メーカーだ。自分たちで工場を持たず、設計に特化する「ファブレス」と呼ばれる形をとっていて、主力製品はGPUという半導体になる。CEOはジェンスン・フアン。今回来日したのがこの人だ。

GPUって、そもそも何をするもの?

GPUは、もともとゲームなどの画像処理をするための半導体だった。パソコンで3Dゲームがなめらかに動くのは、このGPUが画面上の膨大な点を一気に計算しているからだ。ここがポイントで、GPUは「大量の単純な計算を、同時にまとめてこなす」のが得意という性質を持っている。

そして、この「大量の計算を同時にこなす」という性質が、AIの学習とぴったり噛み合った。AIの学習も、要は膨大な計算のかたまりだからだ。だから、画像処理用に磨かれてきたGPUが、いつのまにかAI時代の主役になった。エヌビディアがこれだけ騒がれるのは、そのAI用半導体で世界の大半のシェアを握っているからだ。

気づけば、世界一の企業になっていた

エヌビディアがここに至るまでの流れを、ざっくり並べるとこうなる。

1999年
GPUを発明。もともとはゲームの画像処理向け。
2006年
「CUDA」という仕組みを導入し、GPUを画像以外の計算にも使えるようにした。
2017年
AI計算に特化した「Tensor Core」を投入。AIとの相性が決定的になる。
2023年〜
生成AIブームで、データセンター向けの半導体が爆発的に売れる。

その結果どうなったか。2026年7月15日時点で、エヌビディアの時価総額はおよそ5.1兆ドル。世界でいちばん価値のある企業になっている。日本円にすると800兆円を超える規模で、数字が大きすぎてピンとこない。ただ、覚えておいてほしいのは「今、世界でいちばん大きい会社」だという一点だ。この後の話に効いてくる。

「ジャパンAIの幕開け」の日に何が起きたか

今回、フアンCEOは来日にあわせて「今週はジャパンAIの幕開けの週になる」と表明した。そして2026年7月16日、日本企業との提携を次々に発表している。

相手は、ソフトバンクが主導する国産AIの新会社「ノエトラ」(ソニーやホンダ、NECなど44社が参画)、トヨタの実証都市ウーブン・シティ、それに富士通、ファナック、安川電機、川崎重工業といった顔ぶれだ。テーマになっているのは「フィジカルAI」。たとえばチャットの中だけで完結していたAIが、ロボットや産業機械という体を得て、現実世界でモノを動かす領域のことを指す。日本はロボットや工場の技術が強いので、エヌビディアの半導体と組み合わせる相手として注目された、というわけだ。

ニュースとしては華やかだ。そして、こういう景気のいい話を見ると、どうしても頭をよぎることがある。

わたしも一瞬、個別株が欲しくなった。でも手が止まった

「エヌビディアの個別株、少し買っておこうかな」。ニュースを見て、そう思った。世界一の会社が、これから日本でも本格的に動く。乗り遅れたくない、という気持ちが一瞬わいた。

でも、そこで手が止まった。次にこう考えたからだ。「これでまたSOXやNASDAQが上がってくれるんじゃないか」。わたしはこの2つを積み立てている。エヌビディアが伸びれば、その指数も一緒に伸びるはず——そう思った瞬間、もっと素朴な疑問にぶつかった。

そもそも、わたしの積立に、エヌビディアってどれくらい入っているんだろう。個別株を買い足す前に、まずそこを確かめるべきじゃないか。ということで、実際に計算してみた。

調べたら、個別株ゼロなのに約4万円分持っていた

やり方はシンプルだ。自分が持っている各ファンドの評価額に、そのファンドの中のエヌビディア比率をかけるだけ。2026年7月18日時点の、わたしの実際の保有額で計算した。ドル円は162.40円のタイミングだ。

ファンド わたしの評価額 中のエヌビディア比率 エヌビディア相当額
FANG+ 231,071円 約10% 約23,100円
SOX 87,654円 7.60% 約6,700円
NASDAQ100 51,541円 8.01% 約4,100円
オルカン(全世界株式) 108,501円 4.55% 約4,900円
合計 478,767円 約8.1% 約38,800円

約48万円の資産のうち、約3.9万円がエヌビディアだった。割合にして8.1%。繰り返すけれど、わたしはエヌビディアの個別株を1株も持っていない。それでも、指数という形で、これだけ握っていた。

いちばん意外だったのは、オルカンの中身だ。オルカンは全世界の株にまるごと分散するファンドで、わたしはこれを「守り」のつもりで持っていた。ところが、その中にもエヌビディアが約4,900円入っていて、しかも全世界株式の最大構成銘柄がエヌビディアだった。世界中の株に分散したつもりでも、いちばん多いのは結局この1社なのだ。

この金額そのものは、あまり重要じゃない

評価額は毎日動くので、8.1%という数字も明日には変わる。だから大事なのは金額の正確さより、「自分が思っているより、ずっと多く持っていた」という事実のほうだ。個別株を欲しがる前に、わたしはもう十分に持っていた。

ここまで調べて、「じゃあ自分の中身も見てみよう」と思った人へ。楽天証券なら、保有商品の画面から各ファンドの構成銘柄を確認できる。まだ口座がない場合は、こういう中身を一目で見られる状態を作っておくだけでも違う。

4本持っていても、柱が同じなら分散じゃない

ここで、もう一段深い話をしたい。わたしは4本のファンドを持っているから、なんとなく分散できているつもりでいた。でも中身を並べてみると、そうとは言えないことに気づいた。

たとえばFANG+は10銘柄でできている。メタ、アップル、アマゾン、ネットフリックス、グーグル、マイクロソフト、エヌビディア、ブロードコムなど。そしてこの顔ぶれは、ほぼそのままNASDAQ100の上位にも入っている。つまりFANG+とNASDAQ100を「別の商品」として2本買っても、中身は大きく重なっているのだ。SOXも半導体という点でエヌビディアやブロードコムを共有している。

誤解のないように書いておくと、4本すべてが同じ、というわけではない。オルカンだけは全世界に広がっていて、本当の意味での分散役を果たしている。ただ、そのオルカンですら、いちばん多い銘柄はエヌビディアだった。結局、4本すべてに顔を出す唯一の会社が、エヌビディアなのだ。

これが何を意味するか。上がるときの主役も、下がるときの主役も、同じ1社になりやすい、ということだ。分散しているつもりが、柱の部分では集中していた。これは良い悪いの話ではなくて、「そうなっている」という事実として、知っておいたほうがいい。

これは、わたしの特殊な配分の話じゃない

ここまで読んで、「自分はFANG+やSOXなんて持っていないし、関係ないな」と思った人がいるかもしれない。でも、たぶん関係ある。

日本でいちばん人気のS&P500。このファンドの中でも、エヌビディアは7.89%で堂々の1位だ(2026年5月末時点)。あのアップルの7.04%を抜いて、いちばん多い。そして先ほど書いたとおり、オルカンでもエヌビディアが1位。だから、S&P500かオルカンのどちらかを積み立てているだけでも、エヌビディアはたぶん、あなたの資産の「いちばんの主役」になっている。

これは、日本で積立をしている人の多数派に当てはまる話だ。自分では半導体株を買ったつもりがなくても、王道のインデックスを持っているだけで、気づけばエヌビディアが自分の資産のトップにいる。今の株式市場は、それくらいこの1社に引っ張られている。

現に、沸いたその週に4本そろって下がった

ここまでは「もう持っていた」という気づきの話だった。ところが、この話には続きがある。

「ジャパンAIの幕開け」とニュースが沸いた、まさにその週。わたしは内心、これで持っている指数も上がるだろうと思っていた。ところが蓋を開けてみると、逆だった。7月17日から18日にかけて、半導体やハイテク株は下落。SOXの指数は1日で3%以上下げ、「弱気相場入りが近い」という報道まで出た。

わたしの保有画面も、見事にそろって前日比マイナスだった。FANG+もSOXもNASDAQ100もオルカンも、下げ幅の大小はあれど、4本まとめて赤くなっていた。ここで、さっきの「柱が同じ」という話が効いてくる。値動きの主因が共通してエヌビディア周辺だから、上がるときも下がるときも一緒に動く。隠れていた集中が、こういう日にはっきり姿を見せた。

このとき感じたのは、2つのことだ。ひとつは、市場の予測はできても、正解はわからないということ。あれだけ景気のいいニュースが出ても、株価は素直に上がってはくれなかった。もうひとつは、下がったなら、それはそれで淡々と積み立てる時期でもある、ということ。これはあくまでわたし個人の受け止め方で、誰かに買い増しを勧めているわけではない。ただ、中身を知っていたから、慌てずにそう思えた。

派手なニュースの日ほど、自分の中身を見る

今回わかったことを、まとめておく。

この記事のまとめ

  • エヌビディアは、AI用半導体で世界の大半を握る、今いちばん大きい会社
  • 指数を積み立てているだけで、自分の資産の約8%がエヌビディアだった(個別株はゼロ)
  • S&P500でもオルカンでもエヌビディアが構成1位。これは多数派に当てはまる
  • 複数の指数を持っていても、柱が同じなら一緒に上下する。集中は「知っておく」もの

集中していること自体は、悪ではない。エヌビディアが伸びてきたからこそ、わたしの資産もここまで増えた。大事なのは、上がるときの主役も下がるときの主役も同じ1社だと、知っておくことだ。知っていれば、次にまた全部そろって下がった日にも、慌てずにいられる。

派手なニュースが出た日は、つい個別株に手を伸ばしたくなる。でもその前に、自分がすでに何をどれだけ持っているかを見る。今回わたしがやったのは、ただそれだけのことだ。でも、調べてよかったと思っている。ニュースに振り回されるより、自分の手元を数字で知っているほうが、ずっと落ち着ける。

あなたの積立の中にも、エヌビディアはきっといる。まずは一度、自分のファンドの構成銘柄を開いてみてほしい。相場が下がっている今は、自分の中身と、これから積み立てる余地を見直すのにちょうどいいタイミングでもある。楽天証券なら保有画面からすぐ確認できるし、まだ口座がないなら、自分の持ち物を一目で見られる状態を作るのが最初の一歩になる。

なお、「じゃあ守りをどう足すか」を考え始めた人は、わたしがオルカンをスポット購入して配分を見直した話も参考になると思う。あわせて読んでみてほしい。

参考・出典

※本記事にはアフィリエイトリンクが含まれています。リンクを経由して口座開設いただいた場合、わたしに少額の報酬が入ることがあります。記事の内容はリンクの有無に関わらず、わたし自身の評価・意見に基づいています。また、本記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。

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