いま、トラックボールを2台使い分けている。家がロジクール、会社がケンジントンだ。
べつにコレクションしているわけではない。本当は両方ケンジントンにしたい。でもそこまでお金をかけていない、というだけの話だ。
この記事は、その2台を実際に毎日使っている人間が書いている。スペック表を並べただけの比較ではない。とくに書きたいのは、ケンジントンに慣れるまで2週間かかったという話だ。
「トラックボールは慣れが必要」と書いてあるレビューは山ほどある。ただ、その期間は人によってけっこう違うらしい。わたしの場合はまともに使えるようになるまで2週間かかった。1万4千円を出すか迷っている人には、この実数がいちばん役に立つと思う。
そしてもうひとつ、先に書いておく。この記事の結論は「高いほうを買え」ではない。わたしは家のマウスを買い替えていないし、その理由は用途ではなく予算だ。ガジェットの記事でこれを書くのは変かもしれないが、そこがいちばん正直なところだと思っている。
結論だけ先に見たい人は、こちらから。
手首が痛くてロジクール ERGO M575SPから始めた
そもそもトラックボールにしたきっかけは、手首だった。会社でも家でもPCを触っているので、普通のマウスを動かし続けていると右手首の外側が重くなる。マウスを動かさずにボールだけ転がせばいいなら、それは減るんじゃないかと思って買ったのがロジクールのERGO M575SPだ。2026年8月11日時点で6,930円だった。
結論から言うと、手首の負担はきちんと減った。ここは期待どおりだった。マウス本体を動かさないので、腕ごと動かす作業がなくなる。机の上のスペースも取らない。
親指でボールを操作するタイプで、慣れるのも早かった。トラックボールが初めてでも、たぶん数日で普通に使えるようになると思う。7,000円前後という価格も、最初の1台としては手を出しやすい。いまも家で現役で使っている。
💡 ポイント
トラックボールを試したことがない人が最初の1台を選ぶなら、わたしはこれを勧める。手首がラクになるかどうかは、7,000円で確かめられる。
ボタンが足りなくなった。AIの使い方が変わったから
不満が出てきたのは、手首でも操作性でもなかった。ボタンの数だった。
きっかけはClaudeを使い始めたことだ。文章を直してもらうとき、言葉で説明するより画面をそのまま見せたほうが早い。だから「スクショを撮る → 指定のフォルダに保存する → 貼り付ける」という動作を、1日に何十回も繰り返すようになった。
この作業をやってみるとわかるのだが、スクショの範囲選択がけっこう繊細だ。ここからここまで、と細かく指定する。M575SPでもできないことはない。ただ、もう少し精密に動かせるものがほしくなった。
それに加えて、コピーや貼り付けをボタンに割り当てられたら、この一連の流れがもっと短くなるはずだと思った。M575SPのボタンでは足りなかった。ブログとX運用をAIで仕組み化してから、この手の細かい操作の回数が一気に増えたのが大きい。
道具が先に変わったのではなく、AIの使い方が変わった結果、道具のほうが追いつかなくなったという順番だった。
ケンジントン スリムブレード プロに慣れるまで2週間かかった
次に買ったのがKensingtonのスリムブレード プロ(K72081JP)だ。2026年8月11日時点で14,505円。M575SPの倍以上する。
ここからが、この記事で一番書きたかったところだ。正直に言って、最初の2週間は本当に厳しかった。
M575SPは親指でボールを転がす。スリムブレードは大きなボールを手のひらと指全体で扱う。同じ「トラックボール」という名前でも、操作の感覚がまったく別物だった。買った初日は正直「失敗したかもしれない」と思った。作業速度が明らかに落ちる。
それが2週間ほどで反転した。ボールの大きさに手が慣れて、狙ったところに一発で止まるようになる。そうなると、もともとやりたかった精密な範囲選択が、M575SPより明確にやりやすい。
ボタンにコピー操作などを割り当てられるので、スクショを撮って保存して貼り付ける流れも短くなった。いまは会社で毎日使っていて、とても使いやすい。
⚠️ 買う前に知っておいたほうがいいこと
スリムブレードは「買った翌日から快適」にはならない。わたしの場合は2週間かかった。仕事で使うPCなら、繁忙期に買い替えないほうがいい。逆に言えば、2週間我慢できるなら越えられる山だ。
2台を並べて比べるとこうなる
| ロジクール ERGO M575SP |
Kensington スリムブレード プロ |
|
|---|---|---|
| 価格 | 6,930円 | 14,505円 |
| 操作 | 親指でボール | 手のひら全体で大玉 |
| 慣れるまで | 数日 | 約2週間 |
| ボタン数 | 少ない | 8ボタン |
| 細かい範囲選択 | できる | 明確にやりやすい |
| 接続 | 無線 | 有線・2.4GHz・Bluetooth |
| わたしの置き場所 | 家 | 会社 |
こう並べると、スリムブレードが上位互換に見える。実際、作業だけを見ればそうだ。ただ、それでも家のマウスは買い替えていない。
家がロジクールのままな理由は、たぶん一番つまらない理由だ
使い分けている、と書くと聞こえがいい。用途によって最適解が違うんです、みたいな話に見える。
でも正直に書くと、お金に余裕ができれば家もケンジントンにしたい。それだけだ。使い分けたくて分けているのではなく、2台目を1万4千円で買い足す決断をしていないから、結果的に分かれている。
じゃあ家の環境が不便かというと、そんなことはない。結局のところ、トラックボールで作業できていることのほうが大きい。M575SPでも手首はラクだし、日常の作業はまったく問題ない。ケンジントンとの差は「あればもっといい」であって、「ないと困る」ではなかった。
ここが、この記事で一番書いておきたい部分かもしれない。ガジェットの記事を書いておいて言うのもなんだが、お金を使わないことが一番強い、というのもわかっている。
7,000円の道具で足りているなら、それは1万4千円を使わなくていい理由になる。差額の7,500円は、そのまま積み立てに回せる金額でもある。
この考え方が近いのが、ひろゆきさんの『貧しい金持ち、豊かな貧乏人』だ。副題が「賢い安上がりな生き方80の秘訣」で、要するに持っているお金の額より、使い方のほうが効いてくるという話が並んでいる。1,650円。買うか迷っているガジェットがあるときに読むと、だいたい冷静になれる。
どっちを買えばいいか、わたしなりの結論
2台使ったうえで、こう考えている。
最初の1台なら、わたしはM575SPを勧める。トラックボールが自分に合うかどうかは、使ってみないと絶対にわからない。7,000円はその答え合わせの費用として妥当だと思う。合わなければそこで終わりだし、合えば上を検討すればいい。
スリムブレードは、やりたい作業がはっきりしている人向けだ。わたしの場合はスクショの範囲選択とボタン割り当てだった。目的がないまま倍の値段を出すと、2週間の壁だけ食らって終わる可能性がある。
✅ この記事のまとめ
- トラックボールで手首の負担は実際に減った。ここは2台とも共通
- ケンジントンのスリムブレードは慣れるまで約2週間。最初は作業が遅くなる
- 越えたあとは、細かい範囲選択もボタン割り当ても明確に上
- それでも家はロジクールのまま。理由は用途ではなく予算
- いま困っていないなら、買わないのが一番安い
ちなみにこの記事も、家のM575SPで書いている。7,000円のトラックボールで、とくに困っていない。
※価格はすべて2026年8月11日時点のものです。変動するため、購入前に各サイトで最新の価格をご確認ください。
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