つみたては、オルカン1本にしています。
その「オルカン」という名前のついた新しいファンドが、2026年9月30日に設定されます。『eMAXIS 高配当全世界株式(オール・カントリー)』、愛称はオルカン高配当です。
正直に書くと、名前を見ただけで、少し欲しくなりました。
毎月積み立てているものと同じ名前で、そこに「高配当」が付いている。中身を一文字も読んでいない段階で、「これは良さそうだ」と思っていました。
名前には、それだけの力があります。
落ち着いてから、交付目論見書を開いて数えました。
同じ「オルカン」でも、Slimが付いていません
わたしが積み立てているオルカンの正式名称は『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』です。今回のは『eMAXIS 高配当全世界株式(オール・カントリー)』。Slimが抜けています。
同じ運用会社の、別のシリーズです。
| 信託報酬(税込・年率) | |
|---|---|
| eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン) | 0.05775% |
| eMAXIS 高配当全世界株式(オルカン高配当) | 0.1650% |
約2.9倍です。0.165 ÷ 0.05775 で 2.857。
信託報酬は純資産の規模で3段階に下がる仕組みで、目論見書にはこう書いてあります。
| ファンドの純資産総額 | 信託報酬(税込・年率) |
|---|---|
| 5,000億円未満の部分 | 0.1650% |
| 5,000億円以上 1兆円未満の部分 | 0.1628% |
| 1兆円以上の部分 | 0.1606% |
1兆円まで育っても0.1606%。いまのオルカン(0.05775%)には届きません。
同じ指数のファンドが、2年3か月前からあります
連動先はMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス高配当利回り指数です。全世界の高配当株の指数で、これ自体は新しいものではありません。
同じ系列の指数に連動するファンドが、すでにあります。アムンディの『オールカントリー・高配当株』で、設定は2024年6月28日。
| オルカン高配当 | アムンディ オールカントリー・高配当株 | |
|---|---|---|
| 設定日 | 2026年9月30日 | 2024年6月28日 |
| 信託報酬(税込・年率) | 0.1650% | 0.1650% |
| 購入時手数料 | なし | なし |
| NISA | 成長投資枠 | 成長投資枠 |
| 純資産総額 | 0円(設定前) | 37.76億円 |
信託報酬が同額でした。「全世界の高配当に低コストで」は、2年前からできたことです。
新しいのは、「オルカン」という名前と、2本立てにしたことだと思いました。
2本のうち、配当が出るのは片方だけです
同じ日に2本設定されます。名前がほとんど同じなので、ここは間違えると困ります。
| 配当払出型 | 資産成長型 | |
|---|---|---|
| 決算 | 年4回(3・6・9・12月の14日) | 年1回(9月14日) |
| 初回の決算日 | 2026年12月14日 | 2027年9月14日 |
| 分配の方針 | 経費等控除後の配当等収益の全額を分配 | 原則として分配を抑制 |
| ISIN | JP90C000T7C0 | JP90C000T7D8 |
配当を受け取りたいなら配当払出型、増やしたいなら資産成長型。目論見書の書き方はそのままです。
楽天証券のファンドページでは、資産成長型も年4回決算に見えました。目論見書では年1回です。この記事は目論見書のほうを採りました。
つみたて投資枠では買えません
NISAは成長投資枠のみです。つみたて投資枠の対象ではありません。
毎月の積立をこれに替える、という使い方はつみたて投資枠の中ではできません。わたしのように積立をつみたて投資枠で回している人は、ここで一度止まります。
販売するのはSBI証券・楽天証券・マネックス証券の3社です(配当払出型はスマートプラスでも取り扱い)。
ものさしが「配当込み」なので、指数には届きにくい作りです
目論見書のベンチマークは「高配当利回り指数(配当込み、円換算ベース)」と書かれています。
MSCIの指数には2種類あります。
| 配当の扱い | |
|---|---|
| 配当込み(グロス) | 源泉税を引かないまま配当を再投資したものとして計算 |
| 税引後配当込み(ネット) | 源泉税を引いてから再投資したものとして計算 |
外国株の配当には現地で源泉税がかかるので、実際のファンドは税金を払います。配当込み(グロス)をものさしにすると、税金のぶんだけ必ず届きません。
ただしこれは、このファンドの欠点ではありません。三菱UFJは2023年8月に「ベンチマーク・参考指数の『配当込み指数』への変更について」を出していて、会社としてグロスに揃えています。わたしが積み立てているSlimオルカンも「配当込み」です。
アムンディのほうは楽天証券のページに「税引後配当込み」とありました。こちらは目論見書に当たれていないので、販売会社の記載です。運用会社ごとに、ものさしの置き方が違う、という話として読んでください。
わたしは乗り換えません
数えてみて、決めました。
理由は利回りでも中身でもなく、同じものが2年前からあって、信託報酬が同じだったからです。「新しい」が理由にならないと分かった時点で、いま持っているものを動かす理由がなくなりました。
最初に心が動いたのは、中身にではありませんでした。名前にでした。自分が持っているものと同じ名前が付いていて、そこに知らない言葉が足されている。それだけで、良いものに見えていました。
数えたら、名前のほかに新しいところがほとんど見つかりませんでした。
それと、つみたて投資枠で買えないのが大きいです。わたしの積立はそこで回っています。
高配当そのものを否定しているのではありません。配当を受け取りながら使いたい人には、配当払出型の「配当等収益の全額を分配」は分かりやすい作りだと思いました。
向いている人/向いていない人
| 理由 | |
|---|---|
| 向いている:配当を受け取りながら使いたい人 | 配当払出型は年4回、経費を引いた配当等収益の全額を分配する |
| 向いている:eMAXISの他のファンドで口座を揃えている人 | シリーズが揃うと管理が楽。信託報酬の差を納得して払うなら選択肢になる |
| 向いていない:つみたて投資枠で積み立てたい人 | 成長投資枠のみ。つみたて投資枠では買えない |
| 向いていない:いちばん安いものを選びたい人 | 同じ指数でSlimは無い。信託報酬はオルカンの約2.9倍 |
| 向いていない:新しいものに乗りたい人 | 同じ指数のファンドが2024年6月からある。信託報酬も同額 |
数えたもの
この記事の数字の出どころです。
| 出典 | |
|---|---|
| 設定日・ベンチマーク・信託報酬の3段階・決算日・分配方針・購入時手数料・信託財産留保額 | 交付目論見書(SBI証券が配布しているPDF。配当払出型/資産成長型の2本とも) |
| 正式名称・販売会社・NISAの枠・有価証券届出書の提出日 | 三菱UFJアセットマネジメントのプレスリリース(2026年8月26日) |
| ISIN・投信協会コード | 三菱UFJアセットマネジメントの各ファンドページ |
| Slimオルカンとアムンディの信託報酬・設定日・純資産総額 | 楽天証券のファンドページ(2026年9月27日時点) |
有価証券届出書は2026年8月26日に提出されていますが、届出の効力はまだ発生していません。設定までに記載が訂正される可能性があります。買う前に、最新の目論見書を見てください。
※本記事は特定の金融商品の購入を勧めるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
※数値は2026年9月27日時点で確認したものです。信託報酬は純資産総額に応じて変わります。
※アムンディのファンドについては交付目論見書に当たれていないため、販売会社(楽天証券)の記載によります。

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